電力不足対策はピーク電力がすべて
東京電力の電力消費量のグラフを見ると
4月11日午後1時30分時点では、予想最大電力が3350万kWだった。
前年同日のピーク時供給量は4250万kW(図8)。
つまり節電に努めたことでピーク時の電力需要を前年よりも2割減らすことができている。
原発の電力に占める割合が約30%なのだから、もう少し頑張れば原発はなくせるかもしれない。
そんな希望がみえてくる。
この調子で…と喜んでも…電気はそう簡単ではない。
電力は需要に一瞬でも応えられなければ停電してしまう。
需要量に応えるという命題をもっているのだ。
常にピーク時に備えた体制が必要になる。
図9のようにベースを支えているのが水力と原発でほぼ一定である。
そして需要に合わせて火力が加えられる。
いまは気候がいい。
エアコンに頼らないで済む時に発電量を見つめていても意味がない。
問題は、最大電力消費を迎える7月や8月のピーク時。
東京電力管内に限れば需要量は6000万kWに及ぶ。
4月より4割も増えるのだ。
図8 4月11日の電力消費量(資料:東京電力のウェブサイトより)
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図9 一日の電力需要のピークと発電方式 (出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2011」)
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原発がなくても、この電力需要量をカバーできること――。
これが原発をなくすための条件。
この夏、原発が稼働率を下げるなかで火力が動く。
政府は4月初め、損傷した火力発電所の復旧や増設、およびほかの電力会社の供給を受けるなどして500万kWを加え、発電できる4500万kWと合わせて5000万kWにすると発表。
不足する1000万kWを需要抑制で乗り切るため、大口契約に対して25%、小口契約20%、家庭15~20%の削減を求めるとした (図10)。
さらに4月26日には、海江田万里経済産業相が、東電の供給能力が上積みできたので、利用する側の削減を一律15%とする目途が立ったと発言。
電力不足対策に関する情報は刻一刻と変化しており、目が離せない。
いずれにせよ、仮に原発をなくすとすれば、この夏のピーク時の対応がカギになる。
より具体的にいえば、夏の朝10時から夜9時の対応だ(図10)。
つまり、原発をなくす方向で考える場合、この夏は日本にとって一つの試金石となる。
図10 一日の電力需要のピーク。4月8日時点で東電の電力供給量は約4500万kWで、発電設備の復旧や増設によって5000万kWまでカバーできるとしていた (資料:経済産業省)
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続く