小規模な宅地でも液状化対策や地盤沈下による建物の傾斜修正を実施しやすい施工システムが開発された。
大規模な液状化被害が生じた千葉県浦安市内の住宅で6月に傾斜修正工事が行われた。
大きさ12m四方、2階建ての木造アパートに生じた約90分の1の傾きを約500分の1に修正した。
施工費は約1000万円。 (高い!新築時が肝心だね!)
開発した施工システムは、硬練りのモルタルを地盤内に圧入するコンパクショングラウチング工法を改良したもの。
同工法は地下に注入ロッドを挿入し、任意の深さに固化材を注入する。
スランプが5cm以下という流動性の小さな材料を軟弱地盤に圧入するので、密度の増大による地盤改良効果を期待できる。
改良した工法では、まずはプレミックスの固化材を新たに開発。
プラントを小型化して、作業スペースの削減を図られた。
現場でセメントと骨材を混ぜ合わせる装置などの設置に必要だった約150m2の敷地を、約40㎡で済むようにした。
これによって、小規模な戸建住宅が集まる地域でも液状化対策や建物の傾斜修正を行いやすくなった。
地盤条件の制約が小さい
専用のプレミックス固化材は、材料の固化が進まないように、絶乾状態の骨材とセメントなどを調合される。
材料費は2倍程度になるものの、小規模な工事で大きなウエイトを占めるプラントの設置費用や機械損料を軽減できる。
その結果、小規模工事ではむしろコストダウンが図れるという。
液状化層が深い位置に存在する場合、鋼管圧入などによる液状化対策工事などが困難なケースは珍しくない。
今回、改良した工法では、こういった場合に力を発揮しやすいという。
直径7cmの細いロッドで削孔して、コンクリートなどの硬い材料でも貫ける。
そのため、上に固い地盤があっても、液状化層に固化材を注入できるという。