石巻港を襲った4~5メートルの津波
しっかり造られた木造建屋、
構造は大丈夫だった!
毎日、午前8時から午後5時までの復旧作業で、津波で流された原木は7割ほど撤収し、工場の清掃も8割方終了。
住宅・建築用の木材加工などを手掛ける 山大(宮城県石巻市)は、東日本大震災の津波で被災した工場の、再稼働に向けた準備を急いでいる。
山大では本震の直後、勤務中だった数十人の従業員に対して、緊急避難を促した。
避難先は、石巻港にある工場から直線で2kmほど北東に位置する、標高約60mの日和山。
大多数の従業員が無事に避難できたが、1人が亡くなり、1人の安否が確認できていない。
港湾空港技術研究所の調査によると、石巻港には高さ4.1mから5mの津波が押し寄せ、同市の市街地は水没した。
それでも3月19日には、「2、3カ月後の操業を目指す」と発表。
思いのほか早く復旧できると判断したのは、工場の建物に大きな被害がなかったから。
集成材の柱梁を使った木造建屋は、津波をしのいで残っていた。
従業員との団結式を経て復旧作業を開始してから20日以上が過ぎ徐々に操業に向けた見通しが立ってきた。
今後は、海水をかぶった設備の調整や建物の修繕を、本格的に進めていくという。
■被災した山大の施設群。
工場の躯体には、三井住商建材のサミットHR工法を採用。
ベタ基礎に発泡ウレタンを敷き詰める地盤改良工法も施している。
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■石巻港には、合板工場や製紙工場などが集積している。
写真中央が山大の工場 (資料:林野庁)
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■製品倉庫。資材が散乱したが、構造体に被害はなかった
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■被災した製材工場の内観
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■事務所棟の外観。1階の外壁は津波で破損した。
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■サイロ棟の外観と内観
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