『長期優良住宅』が遺跡になる?
昨年末に国土交通省国土計画局公開の
『2050年の日本国土の予測データ』だ!
【人口減少】
2005年 2050年
総人口 12,777万人 → 9,515万人 3,300万人減少
若年 1,759万人 → 821万人 900万人減少
生産年齢 8,442万人 → 4,930万人 3,500万人減少
65歳以上 2,576万人 → 3,764万人 1,200万人増加
これだけ見れば、人口が減って環境面で良いのでは?
と、のん気な声も聞かれようが・・・
次世代がいない
働く人、つまり税金を納める人が少なくなる
現状財政赤字・社会福祉財源不足を云々言ってるのに
溢れんばかりの高齢者を誰が面倒見るんだ!って話になる。
【2050年】
人口が3,300万人減る日本の国土の6割以上の地点では、現在の半分以下に人口が減少する。
21.6%の地点では人が住まなくなるとの予測。
資料では、全国を1k㎡ごとに色分けしていて、
人口増の赤色地点は、東京・名古屋圏にほんの僅か程度。
0~25%未満減少の橙色に辛うじて浜松を中心とした西遠地域が入っている。
静岡市でさえ、中心部が25~50%未満減少の水色に塗られている。
日本国土の大部分が人口減を示す寒色系に塗られていて、
人口が半分以下になる地点は現居住域の6割以上を占め、
21.6%が『無居住化』と予測されている。
【2050年って、たった40年後】
“ゆうゆう友”が50歳になる。
“ゆうゆうpapa”も、老いぼれながら生きているかもしれない?
【建築に関わる見方をすると】
今の赤ちゃんが40歳の働き盛りになり家を建てる時期に差し掛かります。
国土交通省は住生活基本計画の見直しで、新築住宅の長期優良住宅の割合を2009年度の8.8%から20年度までに20%まで増やす目標を立てました。
今建てられた『長期優良住宅』は、2050年には築40年。
2020年に建てる人があれば、2050年には築たったの20年。
ところが、『無居住化』が予測どおりに進めば、みな“空き家”や“廃屋”となってしまう?
廃墟と化した“部落”や“町”が日本各所に点在している?
・・・と想像すると恐ろしい気がしてきます。
人口が減れば「過密都市東京が住みやすくなる!」なんて声もあります。
ところが東京と名古屋は逆に増加する。
地方は減少や無居住化に拍車が掛かっては、日本にとって人口減少はちっとも良いことありません!
集落や団地には雑草や雑木が生い茂り自然回帰。
藪を分け入ってみたら『長期優良住宅』遺跡がポツンと取り残されていたなんて
笑い話のような光景が目に浮かびます。
こんなそら恐ろしい国土予測データを発表しておきながら、
ハウスメーカーを喜ばせる施策しか考えられない・・・
舵と動力源を失った日本丸はどこへ漂うのだろう?
※画像は、下記pdfのP12、P18からキャプチャしました。
国土交通省 国土審議会 政策部会 長期展望委員会 HP
第2回長期展望委員会・配付資料
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kokudo03_sg_000024.html
資料3 国土の長期展望に向けた検討の方向性について(PDF ファイル8,353KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000133435.pdf