斜面造成地の崩壊

“わらべ”

2011年06月24日 18:00


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上写真は仙台市の斜面を造成した住宅地。

ブロック擁壁(土留壁)が一部崩落しかかっています。

こんな住宅地、浜松にもたくさんありますね。

鴨江から住吉にかけてとか・・・

もっと急峻で見るからに壊そうな高台に住宅が建っています。

仙台市などでは、斜面造成地にたくさんの崩壊被害がでています。

ただ、この写真の住宅に限ってはちょっと状況が違う。

住人の話では、住宅の基礎は深くしていたという。

つまり、擁壁がもっと崩壊したとしても、住宅の基礎は地盤面の深くまで造られているのでビクともしないということだ。

下の写真のような地すべりでも起こらない限り大丈夫と言えよう!


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こんな斜面造成地に住んでいる方は、いくら住宅を頑丈に、あるいは免震、制震構造にしようとひとたまりもない。

親の代から住んでいる。

こんな土地を買ってしまったという場合は、

あきらめて、安全な土地に移転をするか、規模によっては1000万円単位の安全な擁壁に造りかえる工事をされない限り安心して住むことはできないかもしれない。

こうした斜面造成地は、民間のずさんな造成工事によって造られる場合が多いと思われるが、住宅供給公社などの官が造成して安全のお墨付き(造成工事の検査済証)が発行されているはずの所でも発生しているから安心はできない。

だいたい、こうした斜面造成地で高さ2mを超える擁壁がある場合には、簡単に住宅を建てることができない。

擁壁の安全を確認できなければ建築確認済証が得られないようになっている。

擁壁の検査済証などのお墨付きがあればよいのだが(あっても崩壊している例がある)、なければ建設会社や住宅会社が設計事務所と一緒になって安全風な図面を描いて建築確認を通してしまおうといったことが平然と行われていた時期もあったので、10年以上経った住宅は注意が必要かもしれない。

新しければ安全か?というと、最近でも偽装するような不心得者は建築業界にたくさんいるので、100%信用しないほうが良い世の中なのかもしれない。

重ねて書くが、今回の震災で言い古された言葉に『想定外』がある。

免震でも制震構造でも、地盤が崩壊してしまったらなす術がない。

公的な分譲であっても、その当時の基準どおりに擁壁工事が行われ造成された土地でも、崩壊したり大規模な地滑りが今回の震災で発生していることを承知しておいたほうがよいと思います。

安全のために。

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