飛行機と原発と浜松まつり考

“わらべ”

2011年05月11日 12:02



“飛行機”が一番安全な乗り物だそうです。
自動車・列車・船舶と較べたら、事故率から死亡する確率が最も低い乗り物だそうです。

ところが、乗員乗客全員即死してしまうほど危険極まりない乗り物でもあります。
また、今回の原発事故で東京~ニューヨークフライトすると200マイクロシーベルト被爆すると知りました。(オーロラ発生時はもっと多いとか…)
パイロットや客室乗務員は年間相当量の被爆?
それでも、海外旅行や出張をやめる人はいません!



“原発”も死者数を基準にすると他の発電所より安全というデータがあります。

IEAの統計によれば、発電量1TWh(兆ワット時)あたりの死者は、
石炭火力 161人
石油火力  36人
原子力  0.04人(ほとんどはチェルノブイリ原発事故で、西側諸国で原発事故による死者はほとんどいない)

でも、たとえ確率は低くとも、一度事故が起こってしまうと非常に大きな災害になります。
チェルノブイリ事故の死者はIAEAの推定で4000人。
多い推定ではガンによる死者を入れて10万人という説もある。

福島の事故では地震と同時に運転が止まったので、今のところ放射能汚染による死者はゼロで、今後もそれに近いだろう。
もしかしたら確率的に飛行機よりも安全かもしれない?
もちろん被害はこれだけでない。
放射能汚染による立ち入り規制による住居の喪失や農畜産物の被害…はたまた風評被害。


浜岡原発停止の理由。
東海地震の発生確率30年で87%。
87%と聞いたら皆恐れおののく。
管総理は数字のマジックを上手く用いたものだ!
単純計算すると、この1年で起こる確率は2.9%、この一カ月の確率は0.2%しかない。
巨大地震と云えども、10mの巨大津波を伴う確率はもっと低いに違いない!


それほど低い確率に恐れおののくのなら、飛行機をもっと恐れて然るべきと思わないか?
落ちたら間違いなく死ぬ確率が高い!
今のところ福島原発は一人もない。

確率の低いことを「英断だ!」と拍手喝采を送るなら、浜松まつりを中止にした浜松市長を英断「英断だ!」だとなぜ褒めない?
突然の中止を決定したプロセスが明らかにされないのは、管総理の突然の『浜岡原発の休止要望』と何等変わりない。

今回の東日本大震災を「未曾有の大災害だ」と感じながらも、「まさか自分の所で起こるはずがない」、「まさか浜松まつりの開催中に起こるはずがない」と一笑に付してしまう人が多かったに違いない。
確率の低い地震を憂う声より、祭り関連業者の売り上げを憂う声、経済活動の萎縮を心配する声が多く聞かれた。

だけど、浜岡原発を津波が襲うことを憂いておきながら、遠州灘海岸の凧場を津波が襲うことを心配しないのか?
凧場周辺に数十万人ものの参加者と観光客を集結しているところに巨大地震が起こったら…
迅速に安全な高台(三方原台地)まで避難させる手立てが、浜松まつりを“やめまいか”から“やらまいか”に転じようと言った人たちにあったのだろうか?
初子家庭のためと言いながら祭りが好きとか、商売の損得勘定しか考えてなかったに違いない。


また、浜松まつり中止理由の一部に安全上の配慮があったとしたなら、浜松の経済活動が萎縮してしまうと言った人たちは、浜岡の経済活動を憂う声があって然るべきと思うがどうなんだろう?

浜松まつりを飯の種にする人が多くいるように、浜岡原発を飯の種にする人も数多くいるはず。
関連企業や彼等が地元に落とすことで潤っている商工業者は数知れないはず。
中小商工業者といえば各地に商工会がある。共産党は反対して当然ではないのか?
脱原発の世論が強まれば、15mの防波壁を築造したところで浜岡廃炉に追い込まれかねない。
御前崎市財政の42%にあたる71億円が原発関連税収や国からの交付金だ。
そのお金で、病院・学校・市民会館・運動場etc.をつくり運営してきた。
かつて炭鉱が閉山して寂れた北海道夕張市のような道を浜岡が歩まされるのかもしれない。
近隣市町村は対岸の火事で知らぬ存ぜぬか。

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