RC造ビルも津波で横転
鉄筋コンクリート(RC)造は津波に強い。
とりあえずRC造であれば、津波による倒壊は免れる──。
この震災で、そうした印象を持った人は多いに違いない。
しかし宮城県女川町では、RC造が基礎ごと横転する例が複数見られた。
津波被害を受けた三陸海岸の町をいくつか見て回った人は、この町独特の光景にすぐに気付くはず。
ここでは、町のあちこちで2~4階建てのビルが横倒しになっている。
海に面したRC造・2階建てビル
海岸ぎりぎりの所に倒れていた。
直接基礎で、杭は打っていない。
基礎のコンクリートには全く損傷がない。
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横長のRC造・2階建てビル
海岸から150mほどの所に、内陸側に頭を向けて倒れていた。
基礎の下に杭の痕跡がうっすら付いている。
基礎と杭が結合されておらず、杭の上に基礎が載っているつくりだったと推察される。
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高台下のRC造・4階建てビル
海岸から内陸方向に約200m、女川町立病院が建つ急斜面の下に、内陸側に頭を向けて倒れていた。
基礎に埋め込んだ杭が、基礎の下端で折れている。
杭の1本は地盤から抜け、基礎にぶら下がっている。
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女川町役場近くの2棟のRC造ビル
1棟は40度ほど傾き、もう1棟は完全に横転している。
立ち入り禁止の区域にあったため、詳細は不明。
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