特報:ニチハは再開へ前進、アイジー工業は材料不足に

“わらべ”

2011年03月30日 10:11

旭トステム外装、ケイミュー、ニチハなど、大手の工場が被災して生産がストップしていた外装材メーカーだが、ようやく回復への光が見えてきた。

ニチハは3月28日、同社のウェブサイトで、主要工場の状況などについて情報を公開。工場設備の点検を開始し再開に向かって動き出していることを明らかにした。


しかし懸念材料もまだまだ残っている。

金属系サイディングメーカーのアイジー工業は29日、金属系サイディングの受注を一時的に停止することを発表した。

原材料メーカーが被災していることが理由で、生産や出荷が困難になっているという。

「アイジー断熱サイディング」の本体と関連部品すべて、および「モダンウッド」「断熱プレートi」を3月29日から4月3日までの期間限定で受注を停止する。


フル操業にはしばらく時間が必要

ニチハによると、いわき工場(福島県いわき市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」を製造)と子会社である高萩ニチハの高萩工場(茨城県高萩市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」「モエンサイディングW」を製造)の2拠点で3月22日から生産ライン設備の点検を開始した。


ニチハマテックスの習志野工場(千葉県習志野市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」を製造)は3月15日から操業を再開している。

しかし、東京電力が実施する計画停電などの影響で通常の操業に戻るまでには時間がかかる見込みだ。


金属系サイディングメーカーのチューオーは、若柳工場(宮城県栗原市)の再開に向けて準備を進めている。

最終の量産テストを実施したあと、3月29日から操業を再開する予定だ。今後は燃料の調達や輸送体制の確立といった状況を見極める。

フル生産、フル出荷の体制まで回復するには時間がかかる見通しという。


また、同社は、地震後に全ラインフル生産の体制をとっていた鹿沼工場(栃木県鹿沼市)と熊谷工場(埼玉県熊谷市)で、東京電力が実施する計画停電の影響が出ていることを明らかにした。

3月下旬からは休日対応も含め、操業時間を大幅に変更して量産体制をとることを発表した。


全体として、被災した工場の体制が徐々に回復しつつあるが、各メーカーとも抱える問題も少なくない。

窯業系、金属系の外装材市場とも、フル生産に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。







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