木造住宅のNG施工

“わらべ”

2011年07月05日 18:02

現場遭遇する様々なNG施工

どこの現場でも目にする光景なので、なかば標準施工と勘違いをされている向きも少なくないと思う。


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上の写真は、電気工事業者が、構造材となる柱にドリルで斜めに穴を貫通して、電気ケーブルを室内側から室外側へと通した例。

下の写真は、土台を切り欠いて床下にプラスチック製の電線管を配した例。


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柱のドリル貫通は、たかが10mmちょっとの径の穴かもしれない。

中には、照明スイッチの配電BOXを柱に埋め込むために掘り込んでしまう例だってある。

だけど、柱は構造材だ。

柱の長さに対して柱の径を建築基準法で定められている。

建築基準法施行令43条だ。

ただし、柱の必要断面積の1/3以上欠き取った場合は、添え木および金物等により補強する。と但し書きがある。

じゃあ、1/3に達しない軽微な欠損なら無罪放免か?というと、そうでもないという考えが検査をする側の大勢を占めているのではないかと思われる。

建築主の側に立った監理や検査を厳密に行えばNGで、施行業者側の監督や監理者が検査を行ったら見過ごされるに違いない。

よく欠陥住宅を調査した写真ではよく出会う写真だから…


上の写真は、屋外の外部コンセントの為の配線だろうか?
コンセントの位置が柱のある所でなければならないのだろうか?
外壁に胴縁などを打って配線を回す余裕はないのだろうか?
そんなことしたら、外壁工事などで釘が配線を貫通してしまう恐れがあるのか?
だったら、そんなことのないようにしっかり管理すればいいだけのことじゃないのか?・・・

下の写真は、電線管の位置がこの面だけだったなら、大引と根太の向きを90度変えれば済むことなのだが…
そこまで考えた設計・施行を行ってなかったという、恥ずかしい施行例としか言いようがない。
そういう私も、自分の思慮不足で愕然とすることがないわけではないが…。

なかなは、もっと太い排水パイプを通す為に悪気もなく柱や土台を切り刻んでいるのを見ると、その建築に関わる者の無能ぶりが知れてしまう。


あくまでもこのような施工方法は応急的なものと理解して、間違っても標準と思い込まないでもらいたい。

ほかのメーカー、住宅会社ではOKだったというのは、言い訳にもなんにもならない。

建物を監理していて、現場でよく耳にする言葉だ!